ミストで都市の熱を冷ませ

 水道局、大阪大と実証実験

 

大阪市水道局では大阪大学と共同で、821日から930日まで城東配水場において水道水を使ったミスト散布によるヒートアイランド対策実証実験を行っている。都市の熱を冷ますことと、水道水の新たな需要開拓などが主な目的。平成17年から調査を実施しており、今回の実証実験までこぎつけた。

 

 

この実験は、大阪大学水野研究室と水道局共同で、「街路空間の快適性効果の検討」「人工被覆面における日射による温度抑制効果の検証」「水道施設周辺の環境改善効果の検証」を目的に実施するもの。散布面積約1700平方b、設置ノズル約400基の規模で24時間3パターンにわけて散布する。

ミスト散布によるヒートアイランド対策は、昨年の愛知万博で話題になったほか、東京の再開発エリアでも本格導入が検討されるなど、これからの同対策の主幹になる可能性を持っている。ミスト散布エリアに身をおいても濡れた感じが殆どなく、心地よさが残ることから注目されている技術だ。

実際に実験に立ち会った水道局計画担当によれば、「涼しいことは実感できる」と自信をみせるミスト散布だが、課題は環境負荷をかける部分と軽減できる部分とのトータルバランス。涼しいと実感できれば、全体のCo2排出が減らせることが期待できるが、水道を余分に使用することで電気代などの環境負荷をかけてしまうことも事実。前者が後者上回ることがあれば、最初のハードルはクリアしたことになる。水道局では実験を繰り返すことでデータの蓄積を行いたい意向。設備などのコスト高は、認知が広がり普及が進むことで解決できるとも踏んでいる。

水道局では、新たな水道水の需要開拓にも力を入れており、簡単な試算では、本格導入されれば現在の夏場の水道使用量と比較して10l程度の増加が見込めるという。「あくまで環境対策」と話す水道局だが、「赤字でも実施」とはなる可能性は低く、事業採算性も当然視野に入れているだろう。うまくいけば、御堂筋など主要幹線沿いや再開発エリアでミストを浴び、涼しさとマイナスイオンで快適な夏も期待できそうだ。