歩いて楽しいまちに
大阪大学(院)鳴海教授が語る、中之島
中之島をどう見る
「歴史、文化、自然など様々な魅力を持っており、ポテンシャルの高いエリアであることは間違いない。しかし現状でこれらの資産を生かせているかというと疑問が残る。今ある資産を生かす観点で、官民の連携、府市の連携、役割を明確にして磨き上げることが必要だ」
具体に問題点をあげると
「例えば西部地区はかつて天下の台所を支えた全国諸藩の蔵屋敷が集積していたが、この事実を実感する痕跡がない。川との距離も遠く、自然との接点もあまり感じられない。遊歩道があるが、車道を挟んだ街並みとも分断されている。中之島を地図で見るとシンボリックな空間を予想させ、外国人はどんなに素晴らしいところだろうと期待するが、実際行ってみてがっかりという話もよくある。ひとつひとつの問題をつぶしていく地道な活動が求められている」
どういう方向性で魅力を磨く
「世界中の魅力的な都市はどこも歩いて楽しい。中之島もそうでなくてはいけない。そのためには中之島だけで考えるのではなく、周辺のまちとの連携性を考えなくてはいけない。古い佇まいを残した福島など魅力的なまちが周辺には点在している。これらのまちの顕在化も同時に考えたい」
大胆な再整備は難しい
「魅力を生み出すために必要な構造物や施設は仮設のものでもよい。道路を越えて川とまちを結ぶブリッジもそう。役所は魅力を創るというより工事をしている印象。魅力的にするにはどうしたらいいか、柔らかい頭で、真剣に考えて欲しい」
にぎわい創出のヒントは
「中央卸売市場の活用をもっと考えたい。市場は大きな集客要素だが、大阪はそうなっていない。アメリカでは市場を集客拠点と位置づけまちづくりを進めている例も多い。基本は現有資産を最大限に生かすこと。少しの工夫でまちが変わることもある。水上カフェなどはその一例だと思う」