完全民営化へ加速
改革会議で委員強く言及
9月13日、第4回目の市政改革推進会議が交通局内で開催された。このなかで注目を集めたのが交通事業の経営形態。交通局では今回、公営・民営を含む5つの案を提示したが、出席した各委員の見解のほとんどが「完全民営化」。流れは「民営化加速」の印象だ。関市長は席上「よく考えて結論を出したい」と話した。経営形態に関する結論は今年度末に出る見通し。
当日交通局が提示した選択肢は@地方公営企業A地方独立行政法人B公設民営(上下分離方式)C100%市出資株式会社D100%民間資本株式会社の5つ。@からCまでは、なんらかの形で大阪市関与が必要になるが、Dは大阪市から完全に独立した形になる。
交通局ではこれらの選択肢を示したうえで「議会・市民を巻き込んだ大きな議論を期待したい」と話すが、当日の各委員の発言のほとんどは「完全民営化」の方向。上山信一委員長は「改革の象徴。きちんとした結論を」と話し、大阪市・交通局の決断を強く促した。
市営交通事業は現在、高速鉄道(地下鉄)が黒字でバス事業は赤字。ただ黒字である地下鉄も補助金なしでは赤字。加えて約8000億円もの膨大な企業債残高を抱えている。収益面では御堂筋線に完全に依存しているほか、人口減・経済の東京一極集中など負債だけでなく収益面でもリスクが高いのが現状だ。バスは慢性的な赤字体質で、現在でも抜本的な見直しが求められている。
交通局では、当日示した5つの経営形態それぞれに長所・短所を明示。大阪市が関与する@からCまでは市全体の方向バランスが保てることなどを長所と掲げた反面、市の財政負担が生じることや市の財政事情によって財政・経営基盤が揺らぐことなどを短所に掲げた。Dでは長所については経営の自由度が高まること、短所では不採算部門の維持困難性などを掲げた。
しかし当日の各委員の反応は完全に民営化の方向。北川正恭顧問が「国が地方補償をしなくなる」と本体に頼る体質の転換が求められていることを例示して「独立型」を促したほか、西村貞一委員も「民営化のほうが市民にわかりやすい」などと話した。上山委員長は「既に破綻、経営に失敗している。持続可能ではない」「割高運賃・相互乗り入れの不備など品質管理も劣悪」と話し、「市が経営すべきではない」と断じた。
関市長は「創業時にも官か民かの議論があった。当時の判断は正しかったと思うが、現在ではどうか、よく咀嚼して結論を出したい」と話した。