新設局に「こども青少年局」
大阪市来年度の局編成固まる
大阪市ではこのたび、平成19年4月に実施を予定している局組織の再編の素案を取りまとめた。テーマは中央省庁の枠組みにとらわれない、市民の視点に立った行政を担う観点からの局組織の再編整備。
同種の事業を複数の局が実施しているものを整理するなど、現在の局組織に関する課題を早急に解決すること、市民にわかりやすい、市民ニーズに適合した施策の実現を目指す。
大阪市では、平成18年度から「大阪市政改革マニフェストに基づく新しい行財政改革計画」に基づき、組織の再編整備に取り組んでいる。局組織の再編に関わって必要となる大阪市事務分掌条例の改正については、平成18年中を目途に改正条例案を市会に提案する。
新設・統合の局は以下のとおり。▽財産管理部門(仮称:契約管財局) 土地情報の一元管理、未利用地等の売却・転活用の促進、契約事務・不動産取得事務等の透明化・適正化▽次世代育成支援部門(仮称:こども青少年局) 生まれる前から乳幼児期を経て青年期に至るまでの児童及び青少年に関する施策の総合的推進▽環境施策部門(仮称:環境局)まちの環境美化、廃棄物の適正処理、循環型社会の形成等居住・生活環境から地球環境に至るまでの環境に関する施策の総合的企画立案・実施▽ まちづくり調整部門(仮称:計画局) 都市計画等の策定、土地及び建築物の規制・誘導施策の推進、まちづくりの事業手法の選択に向けた関係局とのコーディネート・民間とのコラボレーション等の推進、都市再生・プロモーションの推進▽まちづくり事業部門(仮称:都市整備局) 地域の特性に応じた市街地整備事業と住宅施策を総合的に実施▽都市基盤管理部門(仮称:都市建設局) 道路、橋梁、河川、下水道等の重要な都市基盤を適正かつ有機的に管理
寄せ集めでは、解決できない
こども青少年局の課題と期待
総務局が「集約することによって無駄を省きたい」と話す、来年4月設置予定の「こども青少年局」は注目度が高い。福祉的視点が強かったり、施策がバラバラで行われていた子育てに関する各施策がどこまで戦略的に構築されるのか興味が尽きないからだ。スタートする前に失礼だが、本紙抱く課題と期待を述べておく。
現在の主要セクションは健康福祉局児童施策部だ。市民局に青少年課があるが、こちらは文字通り「青少年専門」。出生から幼少年期はやはり健康福祉局が主担だ。新設予定の局は出生から子どもの成長をトータルにサポートし、体系付けた施策展開を目指す。ノウハウ的には当然、児童施策部に頼るところが大きい。
しかしこの部署、主要観点は「福祉」で、例えば子育て層の居住促進とか、それによる活力ある都市の形成などの戦略的視点はおおよそ弱い。青少年課は昨年、次世代育成支援計画の「大阪市版」を作成するにあたって事務局となったがノウハウ不足を露呈した。作成された計画を見渡しても、総花的で寄せ集め的な色合いが濃い。数値目標も掲げたが、量的整備で事が解決するはずもない。参加した各局の意識も希薄だった。
少子化が進む中で、子育て層の獲得は都市間競争に直結する事柄だが、現在のところ単なる寄せ集めでは力不足になる可能性が高い。納得できる仕組みには相当な苦労を要するだろう。
また今回表面だって記載されなかったが、教育や緑化、住宅といった子育てで直面する諸課題を担当するセクションとの密接な連携も重要課題だ。地域から信頼を失った公立学校の立て直しや、子育てしやすい住宅・地域空間の創造などするべきことは多い。
子育て層を「顧客」とみなし、顧客満足度を上げるための「子育てデザイン」を創造していく、新設予定の局にぜひ果たしてほしい方向性だ。